便秘の特徴と宿便

便秘と病気

健康な便

いろいろ便秘解消法を試したけど、やはり便の状態がよくなければ本当に解消したとは言えません。
そこでいい状態の便とはどんなものでしょうか。
健康な便とは?いくつかチェックできるポイントがあります。

バナナ状が理想的、ある程度の太さや長さがあり、水分的には70~80%くらい。
水分と言われても分かりずらいと思いますが、因みに水分が90%を超えると下痢便になります。
直腸性便秘では便が太く短くなり、けいれん性便秘ではコロコロのウサギの糞状態になります。(直腸性便秘・けいれん性便秘について)

野菜類が多ければ黄色く、肉類が多ければ黒っぽくなります。
食事のバランスが取れていれば、便は黄褐色になります。

消化器官からの出血があれば、その部位により真っ赤あるいは真っ黒の便が出ます。
いつもと違う便が出たら何か体に異常があるサインと考え病院を受診してください。

便のにおい

便の成分は食べ物のカス、腸内細菌による分解産物、古い細胞、細菌類でできており、腸内に悪玉菌が増殖すると、便やおならのニオイがきつくなります。
肉類をたくさん食べると悪玉菌が動物性タンパク質を腐敗発酵させるため、臭い便がでるようになります。

また健康なウンチかどうか?の判断として「水に浮く」というのがありますが、水に浮くウンチは食物繊維が十分に摂れていることを意味するのだそうです。
肉中心の食生活を送る人が増えてきましたが、やはり野菜中心の和食が健康にはよいのですね。

宿便

さまざまな便秘解消法がある中で、宿便という言葉を目にした人も多いと思います。
宿便は肥満や肌荒れの原因とされ、便秘がちな人の腸壁には数キロ分もの便がこびりついていると言われています。

それを解消するには、断食や腸内洗浄、宿便を排泄させる効果のある健康食品をとる必要があるとされていますが、実際には、腸壁に古い便が積もり積もって貯まっていくということは医学的には考えられず、内視鏡で観察しても腸壁にこびり付いた便は確認されないとのことです。

腸には多数の襞があり、その谷間に便が溜まることで宿便になると言われていますが、腸の壁はぜんどう運動によって波打っているので、常に同じ場所が谷になっているわけではありません。
また、腸の細胞は数日で生まれ変わるので、古い細胞は便とともに排泄され、便が何ヶ月もそこに留まってへばりついているなどということもあり得ません。

便秘と病気

便秘の症状があるにも関わらず、たかが便秘そのうち治るだろうと安易に考えている人も意外と多いものです。

便秘が続くとお肌の調子が悪くなることを気にする女性はいますが、便秘は肌荒れやお腹の張りだけでなく、大腸ガンやポリープの原因にもなります。
実は便秘と大腸がんはおおいに関係していて、便が長く腸内に留まることで活性酸素が発生します。
活性酸素は、腸の細胞を刺激して変性させ、腸内細菌のバランスを崩してしまうのですが、腸内細胞は免疫にも関わっているため、便秘によって免疫力が落ちてしまうことで、ガンが発生しやすくなるということも考えられるのです。

排便時に出血がみられると場合は、安易に”痔?”などと判断するのではなく、大腸ガンかもしれないと疑ってみる必要があります。
大腸ガンの中でも、S状結腸にガンができると便の表面に血液がつくことが多く、直腸ガンんの場合は、便に鮮血がつくことが多いのです。

便秘で腸内に長い時間便が留まることで、水分が吸収されて便は硬くなります。
これを無理に排便すると肛門が切れ、イボ痔になったりします。
痔の影響で排便痛があると、痛みを避けるために排便を我慢して、さらに便秘を悪化させてしまうことになります。

便秘といっても様々な影響があります。
他の病気を招かないためにも、たかが便秘と軽く考えず、自分に合った便秘解消法ですっきりとしたお通じができるよう心がけましょう。